キャノンのモバイルプリンターTR163(2025年発売)とTR153(2020年発売)の違いを解説します。
おもな違いは、以下の4つです。
- Wi-Fiの準拠規格:TR163に、プリンターの高速化・安定化が期待できるIEEE802.11acが追加。
- Wi-Fiのセキュリティ規格:TR163に、セキュリティ強化と利便性の向上が期待できるWPA3-SAEが追加。
- L判フチなし写真における印刷コスト:TR163の方が1枚あたり0.3円高い。
- 価格:TR153の方が1,000円ほど安い。
ビジネスシーンで使用する機会が多く、安定した無線接続やセキュリティ面を重視する人にはTR163がおすすめです。
一方、家庭内(Wi-Fiの無い環境)で使用する機会が多く、基本的な機能があれば十分という人にはTR153が適しています。
今回は、TR163とTR153の違いや価格情報などをふまえて、どっちがおすすめなのかを解説します。
▼安定した無線接続やセキュリティ面を重視する場合はTR163がおすすめ
▼基本的な機能があれば十分である場合はTR153がおすすめ

TR163とTR153の違い一覧
TR163とTR153の違いを表にまとめました。
TR163 | TR153 | |
Wi-Fiの準拠規格 | IEEE802.11a IEEE802.11b IEEE802.11g IEEE802.11n IEEE802.11ac | IEEE802.11a IEEE802.11b IEEE802.11g IEEE802.11n |
Wi-Fiのセキュリティ規格 | WPA-PSK(AES) WPA2-PSK(AES) WPA3-SAE(AES) | WPA-PSK(TKIP/AES) WPA2-PSK(TKIP/AES) WEP |
L判フチなし写真における 印刷コスト | 約19.8円 | 約19.5円 |
価格 | 27,272円~ | 26,280円~ |
それぞれの違いを、1つずつ具体的に解説します。
TR163とTR153の違い①:Wi-Fiの準拠規格
Wi-Fiの準拠規格の違いは、以下の通りです。
TR163 | TR153 |
IEEE802.11a IEEE802.11b IEEE802.11g IEEE802.11n IEEE802.11ac | IEEE802.11a IEEE802.11b IEEE802.11g IEEE802.11n |
TR163にはIEEE802.11acが追加されました。
それぞれの通信規格の違いを、以下の表にまとめています。
最大通信速度 | 周波数帯 | 発表年 | |
IEEE802.11a | 54Mbps | 5GHz | 1999年 |
IEEE802.11b | 11Mbps | 2.4GHz | 1999年 |
IEEE802.11g | 54Mbps | 2.4GHz | 2003年 |
IEEE802.11n | 最大600Mbps | 2.4GHz / 5GHz | 2009年 |
IEEE802.11ac | 最大6.9Gbps | 5GHz | 2013年 |
数値をふまえると、IEEE802.11acの最大通信速度(6.9Gbps=6,900Mbps)は、1つ前のIEEE802.11nと比べて10倍以上です。
また、IEEE802.11acは5GHz帯に対応しているため、電波干渉の影響を受けにくいという特徴を備えています。
そのため、TR163はTR153と比べて、高速化・安定化した通信を期待できます。
ただし、高速化・安定化のメリットを得るには、PC・スマホ・ルーターがIEEE802.11ac(Wi-Fi 5)に対応している必要がある点をご理解ください。
TR163とTR153の違い②:Wi-Fiのセキュリティ規格
Wi-Fiのセキュリティ規格の違いは、以下の通りです。
TR163 | TR153 |
WPA-PSK(AES) WPA2-PSK(AES) WPA3-SAE(AES) | WPA-PSK(TKIP/AES) WPA2-PSK(TKIP/AES) WEP |
Wi-Fi接続のセキュリティ強化と利便性の向上が期待できるWPA3-SAEが追加され、安全性が低く使用が推奨されていないWEPは除かれました。
WPA3-SAEは従来のWPA2-PSKに比べてパスワードが解析されにくく、より強固なセキュリティを保ちます。
また、暗号化保護のレベルが大きく向上しています。
長期的な使用を前提とし、将来のセキュリティ脅威に備えた構造です。
- 自宅Wi-Fiのセキュリティをしっかり確保したい
- 公衆Wi-Fiを使って接続するケースがある
このような人も安心して活用できます。
TR163とTR153の違い③:L判フチなし写真における印刷コスト
印刷コストの違いは、以下の通りです。
- TR163:約19.8円
- TR153:約19.5円
TR163の方がわずかにコストがかかります。
とはいえ、10枚印刷したとしても差額は3円ほどであるため、それほど気にしなくても良いと思います。
TR163とTR153の違い④:価格
以下の価格は、2025年5月時点での情報です。
- TR163:27,272円~
- TR153:26,280円~
TR153の方が1,000円ほど価格が抑えられています。
時期や店舗によって価格は異なりますので、必ず最新情報をご確認ください。
\TR163の最新価格情報はコチラ/
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TR163とTR153の共通点
この章では、TR163とTR153の共通点(仕様一覧・おもな特徴)をお伝えします。
仕様一覧
仕様一覧を表にまとめました。
最高解像度(dpi) | 4800(横)×1200(縦) |
給紙可能枚数 | 普通紙50枚 郵便はがき20枚 |
給紙方式 | 後トレイ |
対応インクタンク | BCI-19Color BCI-19Black |
インク残量検知機能 | ドットカウント方式 |
印刷スピード(A4普通紙) | カラー:約5.5ipm モノクロ:約9.0ipm |
サイズ | 幅約322×奥行185×高さ66(mm) |
重さ | 約2.1㎏ |
おもな特徴①:持ち運びが便利なコンパクトサイズ

(画像リンク先:楽天市場)
カバンに入れてもスペースに余裕があるサイズであるため、持ち運びに便利です。
外出先や出張先でも活用できます。
さらに、デスクや棚の上などの狭いスペースにも無理なく設置可能です。
おもな特徴②:写真や文字が鮮明に写る5色ハイブリットインク

(画像リンク先:楽天市場)
TR163・TR153ともに、文字用のブラックインク1色と写真用のカラーインク4色(計5色)を採用しています。
そのため、にじまずにくっきりとした文字が再現され、写真は鮮やかに仕上がります。
おもな特徴③:待ち時間を削減できる高速印刷機能

(画像リンク先:楽天市場)
A4サイズのカラーであれば1分につき約5.5枚(モノクロの場合は1分につき約9枚)の印刷が可能です。
外出先や出張先でもスムーズに印刷作業を行えます。
おもな特徴④:スマホからもプリント可能

(画像リンク先:楽天市場)
スマホやタブレットを持っていれば、文書や写真をその場で印刷できます。
そのため、会議室や外出先でわざわざパソコンを起動させる必要がありません。
TR163とTR153のどっちがおすすめ?
この章では、TR163とTR153の違いをふまえて、どのような基準で選べばよいのかを解説します。
TR163がおすすめな人
以下に当てはまる場合は、TR163がおすすめです。
- 最新モデルのプリンターを導入したい
- セキュリティ面を重視して選びたい
- プリンターを使用する機会が多い
- 職場や外出先で使用するケースがある
出張や営業活動などのビジネスシーンで使用する機会が多い人にふさわしいです。
▼ビジネスシーンで活用したい人におすすめのTR163はコチラ
TR153がおすすめな人
以下に当てはまる場合は、TR153が合っています。
- 最新モデルにこだわらない
- プリンターを使用する機会は少ない
- 基本的に自宅で使用する
子どもの写真や在宅ワークに必要な書類の印刷など、使用範囲が家庭内で収まる人に合ったモデルです。
▼家庭内での使用がメインの人におすすめのTR153はコチラ

TR163とTR153の違いまとめ
今回は、TR163とTR153の違いを解説しました。
おもな違いは、以下の通りです。
- Wi-Fiの準拠規格:TR163に、プリンターの高速化・安定化が期待できるIEEE802.11acが追加。
- Wi-Fiのセキュリティ規格:TR163に、セキュリティ強化と利便性の向上が期待できるWPA3-SAEが追加。
- L判フチなし写真における印刷コスト:TR163の方が1枚あたり0.3円高い。
- 価格:TR153の方が1,000円ほど安い。
TR163は高速化・安定化に加えてセキュリティ面を強化しており、ビジネスシーンでの使用に最適です。
一方、TR153は価格を抑えつつもプリンターの基本的な機能をきちんと備えており、家庭内での使用に適しています。
使用環境に合わせて選ぶと良いでしょう。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
▼TR163の詳細はこちらから確認できます
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